和田圭介弁護士が、2018年10月10日(水) に日本貿易振興機構(JETRO)おいて英文契約書セミナー(商社・輸出事業者向け)の講師をいたしました。
【日 時】 平成30年10月10日(水)午後2時~午後4時
【場 所】 あいち国際ビジネス支援センター セミナールーム18階
【参加費】 《無料》
【定 員】 80名
【申 込】 https://www.jetro.go.jp/events/nag/029a028ad73311cc.html
セミナーのテーマは、以下の通りです。
1. 商品売買契約
2.代理店契約
(セミナー要旨)
1 国際取引におけるリスクマネージメント
国際取引では、国内取引よりもリスクが大きい場合が多い。そのようなリスクを管理するためには、取引で起こりうる事態を時系列に沿って検討したり、類似の取引におけるリスクを検討したうえで、リスク管理を徹底していく必要がある。国際取引のリスクを低減するためには、①信頼できる取引の相手方を選ぶ、②取引中は頻繁に文書を作成する、特に、適切な契約書を作成する、③取引開始後も継続的にリスク管理をする点が特に重要だと思われる。
2 商品売買基本契約書のポイント
商品売買契約の形式としては、(a)基本契約と個別契約により締結する方式と、(b)Purchase Order/Confirmationの裏面約款により取引を成立させる方式とがある。双方に利点・欠点があるが、少なくとも裏面約款の雛型は用意しておくべきである。
商社が関与する取引では、Back to Back(取引リスクをメーカーに転嫁すること)の形態にするのが基本となる。商社・メーカーのそれぞれがどのようなリスク負担(+対応するリターン)を取るかを決めることになる。
商品売買契約の条項は、主に以下の3つの類型に分けることができる。すなわち、㋐取引の主要な義務に関する条項として、目的物の引渡し義務(目的物の特定、引渡方法、引渡期限等)と代金の支払義務(計算方法、支払方法、支払期日)に関する条項、㋑義務違反時に機能する条項(所有権の移転時期、危険負担の定め、品質保証、義務違反があった場合の取扱い、不可抗力条項等)、㋒Boilerplate条項(準拠法、紛争解決機関、守秘義務、完全合意、相殺禁止、契約上の地位・権利の譲渡、通知、言語等)である。
3 代理店契約のポイント
海外で事業を展開する方法としては、直接貿易や海外拠点やJVの設立等の方法に加えて、代理店(Agent)又は販売店(Distributor)を選任する方法が考えられる。特に、代理店を選ぶ場合には、現地の代理店保護法の適用がありうるため、注意が必要である。
代理店契約の主要な条項としては、㋐代理店の指名(テリトリー内での販売活動の許諾)、㋑代理店の義務(営業活動に関する義務、本人との規律)、㋒本人の義務(販売テリトリーの尊重、商号・商標の使用許諾、販売の支援等)、㋓商品の受発注フロー、㋔コミッションの計算方法及び支払方法、㋕最低販売数量条項、㋖契約期間・終了事由等が挙げられる。